大学卒業後に就職を急がないアメリカの学生達?
大学によっても異なるのでしょうか。しかし先日訪れた大学のシニア(大学4年生)達は卒業後の計画や夢が「就職」を語るものではありませんでした。
先週シアトル市南に位置するタコマ市内のUniversity of Puget Sound大学に行って参りました。長男がハワイでお世話になったバンド(音楽)クラスの先生が大学のバンドコンサートにお声をかけて下さったのです(素晴らしい演奏でした)。今回は卒業間際のタイミングでしたのでコンサート途中にシニア(大学4年生)全員の名前と大学での専攻及び今後の計画や夢が紹介されました。
「卒業後は先ずは地元に帰り少しゆっくり家族や友人との時間を大切にしたいと思います。」、「2年ぐらいいろいろなことをして、その後◯◯◯に関する大学院に行きたいです。」、「旅をしたいと思います。その後大学院に進みたいです。」といったように卒業後直ぐには就職せず社会における見聞を広げてから再び大学院で学びたいと考えている学生が多いようでした。「卒業後には◯◯で働き始めます」と就職先を紹介されていた学生は記憶にある限り1名だけでした。
就職が簡単ではないからなのでしょうか?「ワシントン州の大学を卒業しても就職先があまりないらしいの。やはりカリフォルニアの大学を目指させたいわ。」と話していた友人の話も思い出します。しかしサッカーチームメートのご両親でも、ワシントンの大学卒業後に海外生活を数年経験してから徐々に今のキャリアを築いてきたという方々が複数いらっしゃります。卒業後直ぐに就職だけを考えるのではなく、数年新しい環境で自由に社会勉強をしてみるというのもアメリカでは一般的なのかもしれません。
日本でも時代と共に少し変化が見られるのか、企業の採用形式が少しずつ変わってきているようです。寄り道や回り道をしながらでも面白い経験を積んだ多様な人材が企業に役立つケースが増えてきたからでしょうか。人材不足に加えテクノロジーの進化やグローバル化が進む時代、新卒一括採用をし社内研修で同じように教育していく人材育成方法に限界を感じ始めているからでしょうか。リクルート・ホールディングスでは2019年4月から国内グループ9社の採用を統合するのに伴い、これまで一部の事業会社だけで実施していた「30歳まで応募可能」「365日通年エントリー」を全社で展開するそうです。その他、ヤフーのポテンシャル採用が応募時30歳以下、ソフトバンクの新卒採用は30歳未満などとなっているそうです。
何れにしても一度きりの人生。自分だけの人生。日本企業でも応募資格が新卒だけでなくなってくるのであれば、海外移住や海外企業でのインターン、旅行、起業、などと自由に楽しく幅広い人生プランを立てやすくなり良いですね。

バンドコンサート@University of Puget Sound
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