アマゾン社のシアトル ダウンタウン地区貧困者に対する取り組み
シアトルダウンタウンに新しく出来るハイスクールへの入学を検討している最中、本日はサッカー試合後映画を観にダウンタウンに寄ったことから11歳と14歳の息子達とダウンタウン地区の貧困者ホームレスの話となりました。主に米国インターネット通販大手のアマゾン社の話です。
昨年、アマゾン社はシアトル中心部ダウンタウンにある新しい本社の敷地内の一画をホームレスの宿泊施設として提供すると発表しました。アマゾンが本社敷地内の約4400平方メートルの区画をホームレスのために寄贈し、地元の支援団体「メアリーズ・プレイス」が協力して約200人が利用できる65室の宿泊施設とする方針だそうです。
これに関してなのですが、まず日本の大企業では有り得ないように思われます(?)。本社の自社ビル内にホームレスの宿泊施設を作るとなると、その環境・治安の悪化や衛生面を懸念する社員や役員が多数出てくると思われるからです。勿論土地の価格や財政的な問題が大きいと思いますが、それよりも「内と外」という文化を持つ日本ではなかなか受け入れ難い発想だと思うのです。
又、キリスト教の博愛(平等愛)主義のような文化はアメリカの方が強いように思われます。アメリカでは幼い時からサンクスギビング(感謝祭)前やクリスマスの頃になるとフード・ドライブといって貧困者のために缶詰などの食べ物を寄付するキャンペーンを学校を始め銀行やスーパーマーケット、職場などあらゆる場所で行います。クリスマス頃には学校から「プレゼントを購入して貰えなさそうな子供が当該学校には約30人居るのでギフトカードなどあれば持ってきて下さい」といった手紙も来たりします。困った人がいれば助ける、という文化的習慣が日本よりもアメリカの方が自然に根付いているように思われます。
アマゾン社のこのような社会的貢献を考えた決定は素晴らしいと感じると同時に、シアトルでのホームレス増加問題にはアマゾン社もひょっとしたら多少なりとも起因しているのかもしれない、とも思いました。
シアトルではここ数年不動産価格が急騰しているのです。中には倍の価格にまで跳ね上がっている物件もあります。勿論アマゾン社だけではないシアトルですが魅力的な仕事がある分だけ人口が増加し、不動産価格の上昇にも影響を与えているのです。優秀な人材が流入する街であればある程、高額所得者が増えるので、需要と供給ともあい絡まって物件価格が上がります。格差が広がるこの世の中の流れは貧困者層生活への打撃にも繋がります。
「もしダウンタウンの学校に通うことになっても、渋滞の問題もあるし、ホームレス宿舎近辺の夜間や週末のセキュリティ体制も良くは分からないし、何より物件価格も高いから!ダウンタウンに引越すことはないのでしっかりバスで通ってね〜。」、と子供達と話を終えました。

シアトルのアマゾン社
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